イノベーションを次々と起こす組織をいかに作るか→FRIサマーキャンプ

ひとつ、変わった仕事が僕のところに来た。
それはイノベーションを次々と起こす組織作りの技術の体系化という
テーマの仕事だ。お客様は、こんな案件のときにありがちな、
本社付けの「XXX推進本部」で、お客様も何をして言いか、現在、
検討中なんだという。


僕は、イノベーションというのは、当たり前のことを当たり前に
行えるようになっていくそういった風土から生まれるんじゃないか
と思っている。

今の状況は、なんだかおかしい。XXXの立場とかXXXの都合とか、
依頼者のXXXは理解しないだの、依頼先のXXXXは頑固だからXXXXだの
XXXXとXXXは仲が悪いだの…、何かを考えようとしても、複雑で
こんがらがってしまう。

そして、仮になにか仮説をもって、詰めていこうとしても
「勝手なことをやっている」とか「そんな風に上の許可を得ないで
勝手にやり取りするのは良くない」だの、と言われてしまうし、
ようは、誰もがやっていないことは怖くて誰もできなくなってしまっている。

この仕事を通じて、GEのワークアウトの手法を取り入れて、
まずは組織に落ちているごみを掃除するところからはじめられたら
いいんじゃないかと思っている。
http://www.jri.co.jp/consul/column/data/416-kato.html
http://www.gejapan.com/commitment/six_a.html
http://www.blwisdom.com/ikey/10/11/


1.討議すべき課題を選ぶ
2.その課題に対して意思決定できるリーダー(複数可)を任命する
3.課題に取り組むにふさわしいメンバーを任命し、チームをつくる。メンバーは、その課題に深く関わっている人たちで、職能や階層の枠を超えて集める
5.チームは、3日間の合宿を通じ、解決策を考え出し、それをリーダーに提案する(検討期間はバリエーションあり)
6.提案を受け、リーダーとチームメンバーは討議を行なう
7.リーダーは「その場で」提案について、やるかやらないかの意思決定をする
8.承認された策については、実行リーダーを定め、遂行の為の権限が与えられる
9.提案を実行し、進捗状況を定期的にフォローする

ヒントは、何度か紹介しているFRIのサマーキャンプだ。
http://www.fri-associates.com/Student_top3.html
サマーキャンプを通じて出てくるOUTPUTと引き出されるエネルギー
そして、参加者の成長は本当に、すごいものがある。
あのキャンプはFRIのスタッフがいてこそ成り立つもので、単に仕組み
だけ導入してもだれも真似はできないだろう。本当にすごいことが
起きているのだから。
しかしである。しかし、あのサマーキャンプを社内で具体的な事例を
課題にして、もし、もし本当に実行できたなら…、そうやって
参加者がキャンプで社内関係者に電話をかけ始めて自分たちの持っている
改善のための仮説を本気で検証し始めたら…と考えると本当に刺激的に感じる。

FRIという組織に直接支援に来てもらうのは会社の立場上、ひょっとしたら
難しいのかもしれない。でも、FRIの開くワークショップやキャンプで
勉強する人が多数出てきたりして、お互いに開催ノウハウの共有を図ったり
刺激を得たりする、そんな協業関係だったら構築できるのかもしれないとも思う。

情報を集める前に、仮説を立てて、調査しなければならないことを洗い出したり、
協力してくれる人はいないか、社内の情報を収集できそうなパスはないか、探したり、
そんなことをしている。


わずか3割の割合の仕事だけれど、こんな仕事ならば時間はそんなに制約じゃないはず。
絶対に単に本で書いてあることなどをまとめて誰も読まない多くの資料の一つを作って終わり、
なんて事にはしたくない。それでもって、直接できるかわからないけれど、知見が得られたとか、
資料がうまく作れるようになりましたとか、違う畑の仕事を行って視界が広がりましたとか、
そんなのはうんざりだ。

今でも、「俺、なにやっているんだろう。こんな夢みたいなことを本気で考えようとしているんじゃないのか」
と不安な気持ち、と馬鹿らしい気持ちの混じったような気分になる事は、100%ないわけではない。
でも、3日ほど、迷ったけれどこの仕事を引き受けて精一杯やっていくことにした。